家を売ると贈与税がかかる?親子間・親族間売買の注意点

家を親や子ども、兄弟などの親族に売る場合、「売買なのだから贈与税は関係ない」と思われがちですが、実は注意が必要です。親族間の売買では、価格設定が「時価」と大きく異なると、税務署から「実質的には贈与」とみなされる可能性があります。この記事では、家を売ったときに贈与税がかかるケースや、税金を避けるために注意すべきポイントを詳しく解説します。

1. 親族間売買における「贈与税」とは?

贈与税とは、個人から個人へ無償または低価格で財産を譲り渡した場合に課税される税金です。通常の売買では贈与税は発生しませんが、親族間売買では「形式は売買でも、実質的には贈与」と判断されるケースがあるのです。

たとえば、時価3,000万円の家を1,000万円で親に売った場合、差額の2,000万円を「贈与」とみなされる可能性があります。この2,000万円に対して、贈与税が課されることになります。

2. 税務署がチェックするポイント:「時価」との差

税務署は、親族間取引であっても「適正な時価で取引されているか」を厳しく確認します。時価とは、同じ地域・同じ条件の不動産が市場で取引されるおおよその価格のことです。これを大幅に下回る価格で売買すると、差額が「贈与」として課税対象になるのです。

目安としては、時価の7〜8割を下回る価格設定は注意が必要とされています。適正価格の証明には、不動産鑑定士の評価書不動産会社の査定書を用意しておくと安心です。

3. 親子間売買のよくあるトラブル例

  • 価格が安すぎて贈与とみなされる:市場価格より極端に低い価格設定をした結果、贈与税が課された。
  • 住宅ローンが組めない:金融機関は親族間売買に慎重で、融資を断られるケースが多い。
  • 譲渡所得税の申告漏れ:売主側が譲渡所得税を申告しておらず、後から追徴課税を受けた。

4. 贈与税を避けるための対策

親族間で家を売買する際は、以下の点に注意することで贈与税リスクを減らせます。

  1. 時価で売買する:不動産鑑定書や査定書で価格の妥当性を証明。
  2. 契約書を正式に作成する:親族間でも売買契約書を作り、印紙を貼って法的に有効な形に。
  3. 代金の支払いを実際に行う:振込記録を残して、実際の売買であることを証明。
  4. 住宅ローン利用時は事前に銀行へ相談:親族間取引に対応する金融機関を選ぶ。

5. 相続税との関係にも注意

親が子どもに家を安く売ると、その差額部分が贈与とみなされ、後々の相続時に不利になることもあります。贈与税と相続税は密接に関連しており、「生前贈与加算」によって相続発生前3年以内の贈与が相続財産に加算される場合もあります。

つまり、節税のつもりで安く売っても、結果的に相続時に課税されるリスクが残るのです。長期的な相続対策として、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

親子間や親族間で家を売る際には、価格設定や契約手続きの不備によって「贈与税」が発生する可能性があります。市場価格に近い「時価」での取引を意識し、契約書・支払い記録・査定資料をそろえることで、税務署からの指摘を避けられます。大切な家族間の取引だからこそ、感情ではなく法的・税務的な視点で慎重に進めることが重要です。

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