親が亡くなった後、住まいの整理や売却を進める必要があります。
しかし、「どこから手をつければよいのか分からない」「相続手続きが難しそう」と感じる方も多いでしょう。
本記事では、親が亡くなった後の住まいの整理と売却手続きの流れを詳しく解説します。
1. 親が亡くなった後の住まいの整理
① まずは相続人を確定する
親が亡くなった後、誰が住まいを相続するのかを明確にすることが重要です。
以下の書類を取得し、相続人を確定させましょう。
- 死亡届(市区町村役場に提出)
- 戸籍謄本(親の出生から死亡までのもの)
- 住民票(除票)
相続人の範囲は法律で決まっており、基本的には配偶者・子ども・親・兄弟姉妹が対象となります。
② 遺言書の有無を確認する
親が遺言書を残している場合、その内容に従って相続手続きを進める必要があります。
遺言書が公正証書遺言ならそのまま手続きを行えますが、自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認手続きが必要です。
③ 遺品整理を行う
住まいの売却を進める前に、遺品整理を行いましょう。
遺品整理は時間がかかるため、以下の流れで進めるとスムーズです。
- 親族で形見分けをする
- 価値のあるもの(貴金属・不動産権利証など)を整理する
- 不要な家具・家電はリサイクルや処分を依頼する
- 専門業者に依頼する(大量の荷物がある場合)
2. 住まいを売却する前に必要な手続き
① 相続登記を行う
2024年4月から、相続登記が義務化され、相続人は3年以内に登記を行う必要があります。
登記をしないと売却ができないため、以下の書類を用意して法務局に申請しましょう。
- 被相続人(親)の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 住民票(相続人のもの)
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)
② 相続税の申告・納税を行う
不動産を相続する場合、相続税の申告が必要かどうかを確認しましょう。
相続税の基礎控除額は以下の計算式で決まります。
基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
基礎控除額を超える場合、相続発生から10ヶ月以内に相続税を申告・納税する必要があります。
3. 住まいを売却する流れ
① 不動産会社に査定を依頼する
親の家がどれくらいの価値があるのかを知るために、不動産会社に査定を依頼しましょう。
複数の不動産会社に依頼することで、より適正な価格を把握できます。
② 売却方法を決める
売却には、以下の方法があります。
- 仲介売却:高値で売れるが、売却まで時間がかかる
- 不動産会社の買取:早く売れるが、売却価格が低くなりやすい
「できるだけ高く売りたい場合は仲介売却」「すぐに現金化したい場合は買取」がおすすめです。
③ 売買契約を締結する
買い手が見つかったら、売買契約を締結します。
契約書の内容をよく確認し、売却価格・手付金・引き渡し条件を確認しましょう。
④ 家の引き渡しと税金の精算
家の引き渡し前には、電気・ガス・水道の解約手続きを行い、買主にスムーズに引き渡せるように準備します。
また、売却後に利益が出た場合、譲渡所得税の申告が必要になるため、税理士に相談すると安心です。
4. 住まいの売却を成功させるポイント
① 早めに動き出す
親が亡くなった後の手続きには時間がかかるため、できるだけ早く相続登記や査定を進めることが大切です。
② 不動産会社を慎重に選ぶ
複数の不動産会社に相談し、信頼できる会社を選ぶことで、売却をスムーズに進められます。
③ 税金対策を考える
売却による税負担を減らすために、3,000万円特別控除などの特例を活用しましょう。
5. まとめ
親が亡くなった後の住まいの整理と売却手続きは、遺品整理・相続登記・税金対策・売却活動といった流れで進めます。
特に、相続登記の義務化により、早めの手続きが必要になります。
本記事を参考に、住まいの整理と売却をスムーズに進めるための準備を進めてください。