「親が残してくれた実家を手放したくない」「思い出の詰まった家を守りたい」──相続後の不動産について、こう考える人は多いでしょう。
しかし、固定資産税や維持管理費、老朽化の問題を考えると、売却せずに維持するには計画的な管理が必要です。
本記事では、相続した実家を売らずに維持するための選択肢について解説します。
1. 実家を売却しない場合の主な選択肢
実家を手放さずに維持する方法はいくつかあります。以下の選択肢を検討し、自分に合った方法を選びましょう。
- ① 自分で住み続ける
- ② 賃貸物件として活用する
- ③ 親族で共有管理する
- ④ リノベーション・セカンドハウス利用
- ⑤ 空き家対策を行いながら維持する
2. 実家に住み続ける場合のポイント
① 相続登記を済ませて所有権を明確にする
2024年4月から相続登記が義務化され、相続人は3年以内に登記を行う必要があります。
手続きを放置すると、売却や管理が難しくなるため、早めに対応しましょう。
② 固定資産税と維持費の試算
実家を維持するためには、毎年の固定資産税や修繕費がかかります。
例えば、築30年以上の家では、屋根・外壁・水回りの修繕が必要になる可能性が高く、将来的な費用を試算しておくことが重要です。
3. 実家を賃貸として活用する
① 賃貸に出すメリット
「実家を売りたくないが、維持費の負担が大きい…」という場合、賃貸物件として活用するのも一つの方法です。
- 賃料収入で固定資産税や修繕費を賄える
- 空き家リスクを軽減し、家の劣化を防げる
- 相続した不動産を資産として活用できる
② 賃貸に出す際の注意点
- 賃貸需要のあるエリアかどうかを確認
- リフォームが必要かどうかを検討
- 管理会社を利用するか自己管理するか決める
4. 親族で共有管理する
① 共有名義のメリットとデメリット
兄弟や親族と実家を共有し、管理を分担する方法もあります。
しかし、以下のデメリットがあるため注意が必要です。
- 売却やリフォームの際に全員の同意が必要
- 維持費の負担割合でトラブルになることがある
- 将来的に相続人が増え、権利関係が複雑化する
共有管理を選ぶ場合は、管理ルールや費用分担を明確に決めておくことが大切です。
5. リノベーション・セカンドハウスとして活用
① 自分や家族のセカンドハウスにする
「普段は住まないが、たまに利用したい」という場合は、セカンドハウスや別荘として活用するのも一つの選択肢です。
地方の実家なら、週末のリフレッシュ空間として活用するのもよいでしょう。
② リノベーションして活用
- 古民家カフェや民泊施設として活用
- シェアハウスに改装して貸し出す
- リフォームして子ども世帯と二世帯住宅にする
リノベーション費用はかかりますが、長期的に考えると有効な活用方法となります。
6. 空き家対策を行いながら維持する
① 空き家対策の必要性
放置された空き家は、倒壊リスク・犯罪リスク・税金の負担などの問題を引き起こします。
適切な管理を行いながら維持することが重要です。
② 空き家対策の方法
- 定期的に換気や清掃を行う
- 管理会社に委託する
- 空き家バンクを活用する
- 地域の空き家活用事業に相談する
空き家対策を怠ると、「特定空き家」に指定され、固定資産税の軽減措置が適用されなくなる可能性があります。
売却しない場合でも、適切な管理を心がけましょう。
7. まとめ
実家を売りたくない場合、以下の方法を検討しましょう。
- 自分で住み続ける：登記手続きと維持費の試算が必要
- 賃貸に出す：賃料収入で維持費を補える
- 親族で共有管理：管理ルールを決めることが重要
- リノベーション・セカンドハウス利用：別荘やシェアハウスとして活用
- 空き家対策を行う：放置せずに適切な管理をする
相続後の実家の扱いについて、家族とよく話し合い、最適な選択肢を選びましょう。
