親の実家を相続した際に、「リノベーションをして住むか、それとも売却するか?」と悩む人は多いでしょう。
リノベーションをすれば快適な住空間を確保できる一方で、多額の費用や維持管理の負担が発生する可能性もあります。
本記事では、実家を相続してリノベーションするメリット・デメリットについて詳しく解説し、適切な選択をするためのポイントを紹介します。
1. 実家をリノベーションするとは?
リノベーションとは、単なる修繕やリフォームではなく、住まいの性能やデザインを向上させるための大規模改修を指します。
例えば、古い間取りを現代的に変えたり、耐震補強を行うなど、住みやすさを向上させる工事を行います。
2. 実家をリノベーションするメリット
① 住宅費用を抑えられる
親の家を活用することで、新築住宅を購入するよりもコストを抑えられる場合があります。
特に、土地代がかからないため、全体的な費用を抑えつつ理想の住まいを手に入れることが可能です。
② 住み慣れた場所で生活できる
子どもの頃に過ごした家をリノベーションすることで、思い出を残しながら快適な住環境を実現できます。
また、地元の人間関係や生活環境に慣れているため、引っ越しによるストレスも少なくなります。
③ 税制優遇が受けられる
一定の条件を満たせば、リノベーションにかかる費用に対して住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置などの税制優遇が受けられます。
また、「空き家特例」を適用すれば、相続した家の売却時に譲渡所得税を軽減できる場合もあります。
④ 耐震・断熱性能を向上させられる
古い家は耐震基準や断熱性能が不十分なことが多いため、リノベーションを行うことで安全で快適な住環境に改善できます。
特に、1981年以前の建物は耐震基準が異なるため、リノベーション時に耐震補強工事を検討すると良いでしょう。
⑤ 資産価値を維持・向上できる
リノベーションを行うことで、建物の価値を維持し、将来的な売却時に高値で売れる可能性が高まります。
特に、人気エリアにある実家であれば、しっかりと改修することで賃貸や売却の選択肢も広がるでしょう。
3. 実家をリノベーションするデメリット
① リノベーション費用が高額になる可能性
築年数が古い家では、想定以上に改修費用がかかることがあります。
特に、耐震補強や断熱改修が必要な場合、1,000万円以上の費用が発生することも珍しくありません。
② 相続税・固定資産税の負担
実家を相続すると、相続税や固定資産税の支払いが発生します。
特に、相続税評価額が高い場合、まとまった資金を準備する必要があります。
③ 兄弟姉妹との相続トラブル
相続人が複数いる場合、誰が住むのか、費用をどう分担するのかでトラブルになることがあります。
リノベーションを行う前に、遺産分割協議をしっかりと行い、書面で合意しておくことが重要です。
④ 立地によっては資産価値が下がる
地方や過疎地にある実家をリノベーションしても、将来的に買い手がつかない可能性があります。
そのため、リノベーションを決断する前に、市場価値や将来の需要を慎重に判断する必要があります。
⑤ 住むまでに時間がかかる
リノベーションには3ヶ月~6ヶ月程度の工事期間が必要になることが多く、すぐに住めない可能性があります。
そのため、工事中の住まいをどうするか、仮住まいの費用を考慮する必要があります。
4. 実家をリノベーションする際の判断基準
① 立地が良いか?
実家の立地が、駅や商業施設に近い、将来的な不動産価値が期待できる場所であれば、リノベーションの価値があるといえます。
逆に、人口減少が進むエリアでは、リノベーションよりも売却を検討するほうが得策かもしれません。
② どのくらいのリノベーション費用がかかるか?
リノベーションの費用が、住宅購入と同等か、それ以上かかる場合は、新築や別の住まいを検討するのも選択肢の一つです。
まずは専門家にリノベーション費用の見積もりを依頼し、費用対効果を確認しましょう。
③ 将来的な資産価値を考慮する
リノベーションをしても、将来的に売却や賃貸が難しいエリアなら、無理に改修するよりも売却するほうが得策になる可能性があります。
不動産の市場価値を調査し、長期的な資産形成を考慮しましょう。
5. まとめ
実家を相続してリノベーションすることには、コストを抑えながら住み慣れた環境を活かせるメリットがあります。
しかし、改修費用や維持管理の負担、立地条件による資産価値の変動など、デメリットも考慮する必要があります。
最適な選択をするためには、専門家に相談し、費用対効果や将来の資産価値をしっかりと検討することが大切です。
本記事を参考に、実家の相続後の活用方法を考えてみてください。