未成年が相続した不動産の管理方法と親権者の役割

未成年が親や祖父母から不動産を相続するケースは珍しくありません。しかし、未成年は法的行為を単独で行えないため、不動産の管理・処分には特別な手続きが必要になります。親権者が代わりに管理する場合でも、法律上の制限や家庭裁判所の許可が求められる場面があるため、正しい知識が不可欠です。この記事では、未成年が不動産を相続した際の管理方法と、親権者の役割についてわかりやすく解説します。

1. 未成年が不動産を相続した場合の基本ルール

未成年は法律上の判断能力が未熟とされるため、不動産の売買や契約、管理行為を単独で行うことはできません。そのため、相続した不動産の管理は親権者(または未成年後見人)が代行します。

ただし、親権者が管理できる範囲には制限があり、相続した不動産を売却したり、賃貸契約を結んだりする場合には、家庭裁判所の許可が必要となることがあります。

2. 親権者の「財産管理権」とその範囲

親権者には、未成年の子どもの財産を管理する権利と義務(財産管理権)が認められています。これにより、親権者は以下の行為を行うことができます。

  • 不動産の維持管理(修繕や点検など)
  • 固定資産税の支払い
  • 不動産に関する申告手続き

一方で、資産価値に大きく影響する行為、たとえば不動産の売却や賃貸契約、担保設定などは「処分行為」とみなされ、子どもの利益を守るために裁判所の許可が必要です。

3. 不動産を売却する場合:家庭裁判所の許可が必要

未成年が相続した不動産を売却したい場合、親権者が勝手に売ることはできません。必ず家庭裁判所の「処分許可」を取得する必要があります。

許可が必要な理由は、親権者の利益と未成年の財産保護の利益が衝突する可能性があるためです。家庭裁判所は次のような観点から許可の可否を判断します。

  • 売却価格が適正か
  • 子どもの生活・将来に必要な資金となるか
  • 売却以外に適切な管理方法がないか

4. 賃貸や管理委託を行う場合のポイント

処分行為に当たる「賃貸契約」も、未成年の利益を守るために裁判所の許可が必要となる場合があります。短期賃貸や管理委託は比較的許可されやすいものの、長期契約や収益目的の運用には注意が必要です。

もし管理が難しい場合は、専門の管理会社へ委託するなど、未成年の財産を適切に維持できる方法を選ぶことが重要です。

5. 親権者が複数いる場合の対応

父母の双方が親権者であるケースでは、原則として両名の同意が必要になります。また、相続時に親権者の一方が亡くなったり、離婚により親権者が一人になったりした場合は、現存する親権者が手続きを行います。

6. 未成年後見人が選任されるケース

親権者が不在、または利益相反(親がその不動産を買い取りたい等)が発生した場合には、「未成年後見人」が選任されることがあります。

未成年後見人は第三者として子の財産を適切に管理する役割を担います。後見人は家庭裁判所によって選ばれ、親族や専門職(司法書士・弁護士など)が就任することもあります。

7. 未成年が相続した不動産を守るために重要なこと

未成年が不動産を相続した場合、放置すると管理不全やトラブルの原因になります。親権者は定期的に状態を確認し、固定資産税などの支払いを怠らないようにする必要があります。

また、不動産の状況によっては売却や賃貸が最適な選択となる場合もありますが、必ず家庭裁判所の許可を得て、手続きを法律に基づいて進めなければなりません。

まとめ

未成年が不動産を相続した場合、その管理は親権者または未成年後見人が担い、売却や賃貸などの処分行為には家庭裁判所の許可が必要です。適切な管理を行い、必要であれば専門家の助言を得ながら進めることで、子どもの資産を確実に守ることができます。相続発生時には早めに管理体制を整え、将来的なトラブルを防ぐことが重要です。

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